NIMS Library x MI2I x SIP-MI 共催オープンセミナー
テーマ「(続々)オープンサイエンスと著作権 - データマイニングからAIへ」
開催日: 2016.11.24 終了
今年の正月に催したセミナー「オープンサイエンスと論文著作権」(2016.1.8)での反響が次企画「オープンサイエンスと著作権 - データ共有」に繋がり、そして今回はいよいよAIの時代へ向かうデータ駆動型研究の流れを受けての第三弾です。
論文には著作物としての著作権が付随し、再利用を促す仕組みとしてCC-BYライセンスが科学の世界に登場して早10年。最近は、学会誌や商業誌に論文をだすと、図表の元データフィルの提出や、補足データの提供も求められるようになり、それらの著作権の履行については投稿・利用規定が分かれる状況があります。またジャーナルが、購読モデルかオープンアクセスモデルかでも、版元の著作権履行の方針が様々であり、著者がオープンアクセスのために負担する出版費用 (Article Processing Charge) の額も異なります。これらオープンサイエンスを取り巻く状況の中で、論文著者と出版者の間に交わす「契約」の重要性を、前回のセミナーで学んだところです。
さて、世界に追随して日本でも実践の段階に入ったオープンサイエンス政策。データ中心の研究が推進される中で、テキスト・データマイニング (TDM) 、そしてAIといった話題まで、材料科学の領域にも新しい考え方として議論が盛んになってきました。こうした状況を背景に、内閣府で行われている議論「次世代知財システム検討委員会」の委員でもおられる福井健策先生を講師に迎え、日本の行方を左右する「次世代の知的財産権の形」についてご講演をいただきます。またエルセビア社からはTDMを研究者に許諾するライセンスの仕組みについて実際例と共にご紹介いただきます。論文データや図表を集めるTDM,そこから生まれる知的財産権にまつわるお話を、本オープンサイエンスセミナーの最終章として括りたいと思います。
皆様、是非お誘い合わせの上、ご参加ください。
なお、これまでと同様に、予めにご質問を受けますので、参加登録の際にお知らせ下さい。
講演1 : オープンサイエンスと著作権 - AIも?
講演概要&講演者ご紹介
- 福井 健策 弁護士
骨董通り法律事務所代表パートナー
講演2 : Text and Data Mining - Licensing and Practices
講演概要&講演者ご紹介
- Dr. Anders Karlsson
Vice President, Strategic Alliances, Global Academic Relations, Elsevier
略歴 : 2012年にアジア太平洋地域のストラテジーアライアンス、グローバルアカデミックリレーションズ部門のヴァイスプレジデントとしてエルゼビアに入社しました。エルゼビアに入社する前は、在日スウェーデン大使館科学技術参事官として日本と韓国の責任者の職責を5年間務めました。スウェーデン王立工科大学量子フォトニクス教授を10年に渡り務めたことに始まり、主な業績として2004年に高度な情報技術コンソーシアムをリードした共同研究が認められ、EUルネ・デカルト研究賞を受賞したことなどが挙げられます。2000年にはスウェーデンの科学技術関係機関(Swedish Foundation for Strategic Research)より、初の将来のリーダー的研究者の20人の中の1人として助成金を受けました。2001から2007年には、スウェーデン研究審議会にて特別研究員も務めました。また、スウェーデン国内だけでなく、NTT基礎研究所客員研究員/講師、アメリカのスタンフォード大学/フルブライト客員研究員、パリのエコール・ポリテクニーク大学、中国の浙江大学、そして大阪大学の顧問としての役職も歴任してきました。彼はスウェーデン王立工科大学 (KTH) の電気工学で修士、物理工学で博士号を取得しています。
ブレイクセッション
今回セミナーへの事前質問
●追加質問「データキュレーションに関して」
Q5. 実験データのうち、著作権のない自然科学データと見なせるデータはどのようなデータでしょうか?
Q6. オープンアクセスではない論文に掲載されたグラフから、元の数値データを抜き出して、引用元を示してデータベースに公開した場合、著作権の侵害になりますか?
Q7. 上記の数値データの抜き出しが、2次元マップ型のグラフにも適用可能だと考えた場合、電子顕微鏡像などの2次元画像についても強度と空間内距離を数値化して、自然科学データとして利用することはできるのでしょうか?
Q8. 世界の物性データベース(MatNavi, Materials Project, NoMaD)では、非オープンアクセス論文由来のデータへのアクセスにメンバー登録とログインを必要としています。
Q9. 自分の研究機関で得た論文のフルテキストを知り合いの研究者に渡すことを、Elsevierは寛容に認めてくれています。一方、ほかの出版社では規約に書いていないのですが、どのような扱いになっているのでしょうか?
参考
NIMS Library Open seminar企画として3回目—オープンサイエンスシリーズ最終章となるにあたって、オープンサイエンス時代に理解しておきたい論文著作権とデータ共有に関し、これまでに受けた質問
第一弾(1/8)オープンサイエンスと著作権 / Open science and copyrights law
第二弾(3/10)(続)オープンサイエンスと著作権-データ共有/Data Sharing - pros & cons
イベント・セミナーデータ
- イベント・セミナー名
-
NIMS Library x MI2I x SIP-MI 共催オープンセミナー
テーマ「(続々)オープンサイエンスと著作権 - データマイニングからAIへ」 - 会場
- NIMS 千現地区 第一会議室
- 開催日: 時間
-
2016.11.24
15:00-17:00 - 参加料
- 参加費不要、事前登録必須
- 開催プログラム
- 司 会 : 谷藤 幹子 科学情報プラットフォーム長
式次第 :- 15:00 はじめに 源 聡 構造材料研究拠点 SIP-MIラボ 統合システムチーム 副チーム長
- 15:05-16:00 講演1
- 16:00-16:30 講演2
- 16:30-16:50 ブレイクセッション
- 16:50 おわりに 伊藤 聡 MI2Iプログラムマネジャー
- 言語
- 講演2は英語、他は日本語 (The second lecture is in English)
- 主催
- 物質・材料研究機構 技術開発・共用部門科学情報プラットフォーム
情報統合型物質・材料研究拠点MI2I
構造材料研究拠点SIP-MIラボ
お問い合わせ・申し込み
-
物質・材料研究機構 科学情報プラットフォーム
E-Mail: kagaku=ml.nims.go.jp([ = ] を [ @ ] にしてください)
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