MANA 有賀 克彦 主任研究者らの論文の被引用数が世界一

2010.11.01
(2010.11.18 更新)


MANAの有賀 克彦 主任研究者らが、STAMに2008年に発表した論文が、2010年11月付けのトムソン・ロイター社の論文データベースにおいて、過去2年間に材料科学分野で発表された論文の中で被引用数で第一位にランクされました。

NIMSの国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 (MANA) の有賀 克彦 主任研究者、ジョナサン・ヒル MAMA研究者らが、材料科学専門の英文論文誌Science and Technology of Advanced Materials (STAM) に2008年に発表した論文 “Challenges and Breakthroughs in Recent Research on Self-Assembly” が、2010年11月付けでトムソン・ロイター社の論文データベース : Essential Science Indicatorsにおいて、過去2年間に材料科学分野で発表された論文の中で最も被引用数が多い論文として第一位にランクされました。

本論文は、近年注目を集めているセルフアッセンブリー (自己集合) による物質作製に関する最近の研究を体系的にまとめたもので、分子を集合させることによって、様々な大きさの物質で特に精密な規則構造を持つものを合成する手法を網羅しています (下図) 。総ページ数は96ページにわたり、例示した図表は127点、引用した研究論文は1,030件にもなり、当該分野の研究動向が一つの論文でほぼ全てわかる内容となっています。従来のトップダウン型のナノテクノロジーに置き換わるボトムアップ型のアプローチとして、自己集合による物質合成は注目を集めており、現在の物質科学およびナノテクノロジーに必要な情報を与えるものとして、本論文が高く評価され広く引用されたものと考えられます。

STAM誌はNIMSが刊行する材料科学専門の英文論文誌で、2008年から材料科学分野では世界初となるオープンアクセスを採用しており、全論文をインターネットで無償で閲覧することができます。

「図 : Self-Assemblyによる物質合成の体系」の画像

図 : Self-Assemblyによる物質合成の体系