SOZAI (工業素材) こそ日本の活力源
近年の国際物質フローから分析
2009.02.27
独立行政法人物質・材料研究機構
NIMS材料ラボの原田 幸明 ラボ長は、貿易による国際的な物質フローの近年の状況をまとめて、分析した結果をこの3月に出版される日本金属学会誌に発表する。
概要
- 独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 : 岸 輝雄) 、材料ラボの原田 幸明ラボ長は、貿易による国際的な物質フローの近年の状況をまとめて、分析した結果をこの3月に出版される日本金属学会誌に発表する。
- 分析の結果、世界の物質フローが急速に変化している中で、日本は各種金属など殆どの工業素材において基軸的な位置を依然として占めており、最大の素材貿易国となっている。
- 世界全体では、物質フローは従来の米欧日の三軸構造から東・南・北ヨーロッパ、中央・東アジアへと広まりを見せており、最大の鉄スクラップ輸入国はトルコ、中国は鉄製品の輸出国になっているなど従来の理解とは異なった状況が生じている。
- そのような中で日本の輸出に対する工業素材の割合は1990年代から急速に伸びており、現在では20%を超えて、機械製品、電子製品を上回る割合となり、工業素材産業は日本の国際競争力を支える産業になってきている。
- Engineering Materialとして総称される鉄鋼、非鉄金属、化学製品、プラスチック等の工業素材は、日本では個別分野で統計処理がされるため総体としてその伸長を把握することができてなかったが、今後は“SOZAI”として戦略的に世界に打ち出していくべきだと提言している。