超硬物質ダイヤモンドと窒化ホウ素の接合界面の原子構造を特定
2015.02.17
東北大学原子分子材料科学高等研究機構 (AIMR)
独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS)
AIMRは、NIMSおよびJFCCと共同で、最も硬い物質として知られるダイヤモンドと、ダイヤモンドの次に硬い立方晶窒化ホウ素同士の接合界面の原子構造、結合メカニズムを、原子レベルで決定することに初めて成功しました。
概要
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の幾原雄一教授(東京大学教授併任)、王 中長准教授、陳春林助教らのグループは、物質・材料研究機構(NIMS)の谷口尚グループリーダーおよびファインセラミックスセンター (JFCC) と共同で、最先端の超高分解能走査透過型電子顕微鏡と第一原理計算手法を駆使し、最も硬い物質として知られるダイヤモンドと、ダイヤモンドの次に硬い立方晶窒化ホウ素同士の接合界面の原子構造、結合メカニズムを、原子レベルで決定することに初めて成功しました。
本研究グループは、結晶中の格子欠陥である転位や粒界・界面を対象にして、その原子構造の解析や格子欠陥を制御した新機能材料の開発を試みてきました。近年の原子分解能走査透過電子顕微鏡法の技術革新と第一原理による大規模な理論計算を併用することによって、ダイヤモンドと窒化ホウ素の接合界面では、炭素とホウ素が結合していることや、転位と呼ばれる欠陥が特徴的な構造をとっていることを明らかにしました。
今後、本研究を起点にし、このような欠陥構造の形成を制御することで、デバイス材料の特性向上や格子欠陥構造を活用した新規デバイスの設計、新機能材料の研究開発につながることが期待されます。本成果は2015年2月17日(英国時間)に英科学誌「Nature Communications (ネイチャー・コミュニケーションズ)」オンライン版で公開されます。