第7回 ナノテクノロジー基盤領域研究交流会
開催日: 2008.04.17 終了
セミナー内容
講演1 | 「単一の量子ドットを見る・操作する」
自己形成的な手法を用いて、格子欠陥や不純物が全く存在しない高品質の半導体量子ドットが、しかも大量に創製できるようになりました。数多くの量子ドットを対象に巨視的な光学スペクトルを観測すると、量子ドットのサイズや形状が不均一であるために、線幅が広く特徴のないスペクトルを得るだけとなります。一方、顕微鏡下で1個の量子ドットを選び出し、そこからの微小な光学信号を検知すると、固体でありながらも真空中に孤立した原子に似た、ごく先鋭なスペクトルを示します。量子ドットに局在した電子は、外部との相互作用が絶たれるために、コヒーレンスが長時間に渡って持続し、コヒーレンスの緩和時間が、バルクや2次元量子井戸に比べて2桁以上延びます。このような特性は、量子ドットにレーザー光を照射することで、非線形/多段的な量子操作が可能となることを示唆しています。液滴エピ手法で作製した量子ドットを用いた、単一量子ドットの精密分光および、光学遷移を用いた量子計算への試みについて紹介します。 |
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講演2 | 「SERSによる単分子検出ナノプローブの開発」
タングステンはWOx(2<x<3)という組成の様々な中間酸化物を形成する。これらの中間酸化物のナノロッドを金属プローブ上に成長させる技術を開発し、ナノ構造の電気計測に用いることができる超先鋭プローブとして多探針走査トンネル顕微鏡で利用してきました。最近、このWOxナノロッドに吸着分子のラマン散乱を著しく増強する効果があることを見いだしました。条件によっては単一分子の検出も可能です。単一分子ラマンは銀微粒子集合体による報告がありますが、WOxナノロッドを用いればより再現性良く増強効果が得られる可能性があります。WOxナノロッドは超先鋭プローブとしての実績があるので、これを走査することによって、微量分子のマッピングが可能になると期待しています。 |
講演3 | 「長周期・非周期構造の解析」
非周期結晶は単純な周期性とは異なる規則性に従って構築された特殊な結晶です。これらは結晶学的な興味の対象であるばかりでなく、近年では熱電変換材料や超伝導材料など産業利用への可能性が期待されるものも報告されています。材料の多様化に伴い、こうした複雑な結晶構造を解明する必要性は今後さらに高まっていくと考えられます。 |
関連ファイル・リンク
イベント・セミナーデータ
- イベント・セミナー名
- 第7回 ナノテクノロジー基盤領域研究交流会
- 会場
- 独立行政法人物質・材料研究機構 千現地区 研究本館 第一会議室
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
- 開催日: 時間
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2008.04.17
15:00 - 17:00 - 主催
- 独立行政法人物質・材料研究機構
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