廣崎 尚登 (ひろさき なおと)
昭和30年6月4日、三重県四日市市生まれ (59歳) 。
現在、物質・材料研究機構フェロー、環境・エネルギー材料部門サイアロンユニット長、(株)サイアロン取締役。
廣崎尚登フェローが紫綬褒章を受章
平成27年春の褒章
2015.04.29
2015年4月29日発令の平成27年春の褒章において、廣崎尚登フェローが紫綬褒章を受章しました。
紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた人に贈られるもので、白色LED用蛍光体の開発における廣崎フェローの功績が高く評価され、受章に至りました。
業績
窒化物・酸窒化物系新蛍光体の発明改良功績
開発当時、白色LEDは、蛍光体の制約から青と黄色の光を混合した疑似白色が主流であったため、発色が悪く用途が限られていました。本格照明やテレビ用途で求められる発色の改善には赤や緑の蛍光体が必要でしたが、酸化物や硫化物が主体の従来材料では発光特性や耐久性の面で使える材料がありませんでした。
廣崎フェローは、これらの課題を解決するために、従来はエンジン材料として使われてきたサイアロン (Si-Al-O-N元素を含むセラミックス) に着目し、結晶構造と化学組成を制御したサイアロンに発光を担う希土類元素を添加した材料の研究をすすめ、LED用途に適した高効率で耐久性に優れた赤色と緑色の蛍光体を発見しました。廣崎フェローは、基本特許を出願し、企業と協力して量産化を達成しました。
本蛍光体の開発により、色再現性に優れた白色LEDが生産されるようになりました。照明分野においては自然光に近い光が実現でき、LED照明として家電販売店に並んでいます。テレビ用途では、赤緑青の3色をバランス良く含むバックライトの開発に成功し、LED液晶テレビの普及を加速させる原動力となりました。
このように、廣崎フェローが開発した蛍光体はLED照明と液晶テレビに組み込まれ、両製品の普及により社会経済および国民生活の向上に大きく貢献しています。
開発当時、白色LEDは、蛍光体の制約から青と黄色の光を混合した疑似白色が主流であったため、発色が悪く用途が限られていました。本格照明やテレビ用途で求められる発色の改善には赤や緑の蛍光体が必要でしたが、酸化物や硫化物が主体の従来材料では発光特性や耐久性の面で使える材料がありませんでした。
廣崎フェローは、これらの課題を解決するために、従来はエンジン材料として使われてきたサイアロン (Si-Al-O-N元素を含むセラミックス) に着目し、結晶構造と化学組成を制御したサイアロンに発光を担う希土類元素を添加した材料の研究をすすめ、LED用途に適した高効率で耐久性に優れた赤色と緑色の蛍光体を発見しました。廣崎フェローは、基本特許を出願し、企業と協力して量産化を達成しました。
本蛍光体の開発により、色再現性に優れた白色LEDが生産されるようになりました。照明分野においては自然光に近い光が実現でき、LED照明として家電販売店に並んでいます。テレビ用途では、赤緑青の3色をバランス良く含むバックライトの開発に成功し、LED液晶テレビの普及を加速させる原動力となりました。
このように、廣崎フェローが開発した蛍光体はLED照明と液晶テレビに組み込まれ、両製品の普及により社会経済および国民生活の向上に大きく貢献しています。
略歴
昭和55年4月1日 | 日産自動車(株)総合研究所シニアリサーチャー (17年11月) |
平成10年3月1日 | 総理府技官 (科学技術庁無機材質研究所主任研究官) (2年10月) |
平成13年1月6日 | 文部科学技官 (文部科学省無機材質研究所主任研究官) (3月) |
平成13年4月1日 | (独)物質・材料研究機構 物質研究所 主任研究員 (1年) |
平成14年4月1日 | (独)物質・材料研究機構 主席研究員 (4年) |
平成16年10月1日 | 東北大学学際科学国際高等研究センター教授 (非常勤) (6月) |
平成18年4月1日 | (独)物質・材料研究機構 窒化物粒子グループリーダー (5年) |
平成23年4月1日 | 名古屋工業大学大学院工学研究科教授 (非常勤) (4年) |
平成23年4月1日~現在 | 物質・材料研究機構 環境・エネルギー材料部門サイアロンユニット長 (4年1月) |
平成24年6月1日~現在 | (株)サイアロン取締役 (2年11月) |
平成27年4月1日~現在 | 物質・材料研究機構 フェロー (1月) |