FED用の青色蛍光体の開発に成功
次世代薄型テレビの耐久性向上
2007.03.26
独立行政法人物質・材料研究機構
NIMSナノセラミックスセンター 窒化物粒子グループは、次世代の薄型テレビであるフィールドエミッションディスプレイ (FED) 向けの新たな青色蛍光体の合成に成功した。
概要
- 独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 : 岸 輝雄) ナノセラミックスセンター (センター長 : 目 義雄) 窒化物粒子グループの広崎 尚登 グループリーダーは、次世代の薄型テレビであるフィールドエミッションディスプレイ (FED) 向けの新たな青色蛍光体の合成に成功した。
- 現在の薄型テレビは液晶方式やプラズマ方式が主流であるが、その先の方式としてFEDが実用化されつつある。FEDは、自発光で高コントラストであることに加え、応答性に優れるため、CRTの画質を凌ぐ薄型テレビが実現できる。FEDでは高いエネルギーを持つ電子線で蛍光体を励起するため蛍光体が劣化しやすい問題があり、既存の酸化物や硫化物の蛍光体では長期間使用すると画質が低下する問題があった。このため、耐久性に優れる電子線励起用の蛍光体の実現が待ち望まれていた。
- 開発した青色蛍光体は、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化ユーロピウム粉末を混合させ、その後窒化ホウ素製のるつぼに入れて10気圧の窒素中で、2050℃で反応させて作製する。合成した粉末はEuを含むAlN型窒化物結晶であり、化学的安定性や耐久性に優れている。この蛍光体に5kVの加速電圧を持つ電子線を当てると、470nmの波長の青色に発光することから、カソードルミネッセンス用の蛍光体としての発光特性を有する。
- 双葉電子工業 (株) の協力の下、本青色蛍光体で電子線励起発光デバイスを試作したところ、従来品の酸化物蛍光体を用いたデバイスと比べて、劣化が1/3以下であることを確認した。今後、メーカとの協力の下に信頼性を評価し、1年後にFEDへ適用することを目指している。
- この成果は3月27日から神奈川県相模原市の青山学院大学相模原キャンパスで開催される第54回応用物理学関係連合講演会で発表の予定である。