産独連携のバイオイメージングラボを開設

物質・材料研究機構 (NIMS) とライカマイクロシステムズによる共同運営

2007.10.11


独立行政法人物質・材料研究機構

NIMSととライカマイクロシステムズ株式会社は、バイオイメージング技術をはじめとする観察技術を全国の大学、企業等の研究者に提供する事を目的として、共同運営ラボ「NIMS-Leicaバイオイメージングラボ」を10月1日に開設した。

概要

独立行政法人物質・材料研究機構 (茨城県つくば市、岸 輝雄 理事長) とライカマイクロシステムズ株式会社 (東京都港区、上野 隆 社長) は、NIMSナノテクノロジー拠点 ナノテクノロジー融合支援センター内に、ライカマイクロシステムズからの寄付をもとに、最先端の実験機器等を用いたバイオイメージング技術および各種顕微鏡による観察技術を全国の大学、企業などの研究者に提供することを目的とした、共同運営ラボ「NIMS-Leicaバイオイメージングラボ」 (NILE-BIL) を10月1日に開設し、NILE-BILに設置される共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡など12台の顕微鏡を使って、専属スタッフによる高度な技術支援を行います。

事業内容

事業の内容は、各種顕微鏡を用いた生体材料、生体分子材料および有機・高分子材料などのソフトマテリアルを対象とした、バイオイメージング技術および観察技術に関する高度な研究支援の実施です。研究支援の実施にあたっては、ライカマイクロシステムズより派遣される常勤の専属スタッフと、ナノテクノロジー融合支援センターの研究者およびエンジニアスタッフが協力し、全国の大学、企業などの研究者から支援要請のあった研究課題に対し、試料調整から観察、データ解析まで一貫した研究支援を行っていきます。

共同運営ラボ開設の目的・意義

NILE-BILが設置されたナノテクノロジー融合支援センターは、大学、独立行政法人等の研究機関が有する先端的な研究施設・機器の共用を進め、イノベーションにつながる成果を創出するために、文部科学省が平成19年度より開始した委託事業「先端研究施設共用イノベーション創出事業【ナノテクノロジー・ネットワーク】」をNIMSが受けるに当たり、ナノテクノロジーを様々な分野の研究と融合させることによって我が国のイノベーション創出、先端融合技術の創出および人材育成の一翼を担うことを目的に設立したNIMSナノテクノロジー拠点において、特にシリコンから化合物半導体、酸化物、有機・高分子材料、生体材料などの様々な物質・材料の超微細加工技術の提供に重点をおいた組織として、平成19年4月に設立されました。

生体材料や有機・高分子材料などのソフトマテリアルの研究においては、材料表面上あるいは基板表面上での細胞や生体分子の挙動をイメージング技術により検出することが益々重要になると思われます。また、ナノバイオ分野の研究ではイメージング技術により検出した細胞のプロテオーム解析あるいはトランスクリプトーム解析に関する研究も重要となっています。

これら最先端の研究を支援するために、精密光学企業グループとしては世界的なメーカーであるライカマイクロシステムズと協力し、高度な観察技術を提供するとともに、ナノテクノロジー融合支援センター内に設置される細胞培養施設、分子生物・細胞生物学実験施設、機器分析施設および微細加工施設との融合による新しいバイオイメージング技術の開発を行い、その成果を広く社会に普及させることが目的です。

NIMS-Leicaバイオイメージングラボ概要

所在地 :
茨城県つくば市千現1-2-1
独立行政法人 物質・材料研究機構 材料信頼性実験棟2階202室内
連絡先 : 電話 029-859-2141
責任者 :
ナノテクノロジー融合支援センター ソフトマテリアルライン
統括マネージャー
花方 信孝
主席エンジニア
箕輪 貴司
開設年月日 :
2007年10月1日
その他 :
NILE-BIL運営にあたっては、ライカマイクロシステムズより、NIMSナノテクノロジー拠点に対し、NILE-BILに設置される各種顕微鏡等の機器保守等を含む年間1千万円相当の寄付 (当初3年) 及び支援スタッフの派遣などの協力を得ております。