ビスマス・硫黄を主成分とした新しい層状超伝導物質系を発見

~首都大、NIMS、産総研、電通大による共同研究~

2012.10.18


公立大学法人首都大学東京
独立行政法人物質・材料研究機構
独立行政法人産業技術総合研究所
国立大学法人電気通信大学

首都大学東京、NIMS、産総研、電気通信大学の研究チームは、ビスマスと硫黄を主成分とした新しい層状超伝導物質系を発見した。

概要

首都大学東京 (学長: 原島 文雄) 、(独)物質・材料研究機構 (理事長: 潮田 資勝) 、(独)産業技術総合研究所 (理事長: 野間口 有) 、電気通信大学 (学長: 梶谷 誠) の研究チームは、ビスマス(Bi)と硫黄(S)を主成分とした新しい層状超伝導物質系 (Bi4O4S3およびLaO1-xFxBiS2) を発見した。
共通の特徴として、ビスマスと硫黄が二次元的に結合したBiS2層 (超伝導状態が発現する層) とブロック層が交互に積層した結晶構造を持つ。さらに、比較的高い超伝導転移温度Tc = 10.6 Kを観測している。このような層状構造は銅酸化物高温超伝導系や鉄系超伝導物質系や鉄系超伝導物質系と非常に類似しており、今後BiS2超伝導層を基本とした新たな物質が開拓され、高温超伝導機構解明の一つの鍵となることが期待される。

「プレスリリース中の図1 Bi4O4S3およびLaOBiS2の結晶構造。実際のBi4O4S3結晶構造はSO4サイトが50 %欠損していると予想される。」の画像

プレスリリース中の図1
Bi4O4S3およびLaOBiS2の結晶構造。実際のBi4O4S3結晶構造はSO4サイトが50 %欠損していると予想される。