NIMS、世界トップレベル研究拠点へと飛躍
2007.09.12
独立行政法人物質・材料研究機構
NIMSは、このたび「世界トップレベル国際研究拠点形成促進プログラム (世界トップレベル研究拠点プログラム) 」の助成対象機関として選定された。
概要
独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 : 岸 輝雄、以下NIMSと略記。) は、このたび「世界トップレベル国際研究拠点形成促進プログラム (世界トップレベル研究拠点プログラム) 」の助成対象機関として選定されました。同プログラムは、「世界の頭脳が集い、優れた研究成果を生み出すとともに、優秀な人材を生む場としての」世界トップレベル研究拠点をわが国にも作ることを目的として、平成19年度、文部科学省によって開始された事業です。この間、文部科学省により助成対象機関の選定が行われていましたが、9月12日に平成19年度の選定結果が発表されました。
NIMSが提案した拠点構想 (参考資料1 - 1、1 - 2) は「国際ナノアーキテクトニクス研究拠点」に関するもので、構想の全体責任者を岸理事長が務め、10月1日に発足する研究拠点の拠点長には現NIMSナノシステム機能センター長の青野 正和 の就任が予定されています。また、同研究拠点の英語名称、International Center for Materials Nanoarchitectonicsから、その略称は「MANA」とすることが決まっています。
MANA構想の最終的な研究目標は、「持続可能な発展」を支える新規材料の開発であり、電池材料、超伝導材料、触媒、量子デバイス、原子デバイス、光デバイス、DNAチップ、生体材料などが具体的ターゲットとして挙げられています。すなわち、この構想は、環境、エネルギー、資源など21世紀の人類が抱える深刻な問題に、わが国が最も得意とする材料の分野から貢献しようとするものです。構想の重要な特徴の一つは、この野心的な目標を達成するために、「ナノアーキテクトニクス」という新しい材料開発技術 (参考資料2) を研究の中心に置いたことです。ナノアーキテクトニクスは単なるナノ材料の創出にとどまらず、個々のナノ構造間の相互作用の解明と制御、ナノ構造単位を意図的に配置することによる高次構造化などによって、極限的な性能を発現する材料を創出しようとする研究コンセプトです。
MANAのもう一つの重要な目標は次世代を担う若手研究者の育成です。若手研究者の育成に関してNIMSは、2003年度に文部科学省のサポートを得て、若手国際研究拠点 (ICYS) を設置し5年間にわたって種々の活動を続けてきたことが内外から高く評価されています。ICYSでは、世界中から優秀な若手研究者を集め、多国籍、多文化、多分野の「メルティングポット (るつぼ) 」を形成し、自由闊達な雰囲気の下で互いに切磋琢磨するという、若手研究者の育成にとって理想的な環境を作ることに成功しました。MANAではこのICYSの基本的なコンセプトを継承しさらに発展させることで若手研究者の育成を図り、育成された研究人材はNIMS本体の研究リーダーやテニュア研究者へとキャリアーアップさせることを目指しています。最終的にはNIMSの研究人材はほぼすべてMANAから供給されることになるものと予想しています。
MANA構想を実現するために、NIMS及びケンブリッジ大学、UCLA (カリフォルニア大学ロサンゼルス校) 、CNRS (フランス国立科学研究センター) 、ジョージア工科大学、筑波大学など内外の研究機関から20名を超える最優秀の研究者を主任研究者として招聘します。また、NIMSから約50名の若手研究者をピックアップすると共に、全世界から約60名のポスドク研究者と約40名の大学院生を選抜し、技術者、事務職員等を含めて総勢約200名の陣容で研究を推進します。さらに、上記の5機関はMANAのサテライト機関として、研究や人材育成に関して強力に連携する体制を整えます。研究場所としては、NIMSの中に十分なスペースを確保し、できる限り一箇所に集中して研究を実施できる体制を作ることとしています。
今回、MANA構想が激烈な競争を勝ち抜いて、独立行政法人としては唯一選ばれた要因の一つは、「ナノアーキテクトニクス」というユニークな研究コンセプトにあります。しかし、その背景として、ホスト機関としてのNIMS本体への高い評価があることは疑いようがありません (参考資料3) 。特に、 (1) ナノテクノロジーやナノ物質・材料に関する卓越した研究成果、 (2) 強磁場施設、超高分解能・超高電圧電子顕微鏡、NIMS専用放射光ビームラインなどの世界トップレベルの大型研究インフラ、 (3) 先に述べたICYSを中心とする先鋭的な研究人材育成事業、 (4) 世界材料研究所フォーラムや国際連携大学院など様々な国際連携事業などが、MANA構想を支援し実現するための十分な実績として認められたものと考えています。
文部科学省の定めによれば本拠点構想は10年間継続し、特に優れた成果をあげたものに対してはさらに5年間の延長を認めることとなっています。MANA構想では、10年後には、MANAをナノテクノロジー及びナノ物質・材料の世界中核機関へと成長させるばかりでなく、MANAを先導車とすることでNIMS本体を世界トップの材料研究所へと脱皮させていくことを目指しています。この野心的な目標を達成するために職員一同奮闘努力する所存でありますので、MANA及びNIMSに対する皆様の強力なご支援をお願いいたします。
NIMSが提案した拠点構想 (参考資料1 - 1、1 - 2) は「国際ナノアーキテクトニクス研究拠点」に関するもので、構想の全体責任者を岸理事長が務め、10月1日に発足する研究拠点の拠点長には現NIMSナノシステム機能センター長の青野 正和 の就任が予定されています。また、同研究拠点の英語名称、International Center for Materials Nanoarchitectonicsから、その略称は「MANA」とすることが決まっています。
MANA構想の最終的な研究目標は、「持続可能な発展」を支える新規材料の開発であり、電池材料、超伝導材料、触媒、量子デバイス、原子デバイス、光デバイス、DNAチップ、生体材料などが具体的ターゲットとして挙げられています。すなわち、この構想は、環境、エネルギー、資源など21世紀の人類が抱える深刻な問題に、わが国が最も得意とする材料の分野から貢献しようとするものです。構想の重要な特徴の一つは、この野心的な目標を達成するために、「ナノアーキテクトニクス」という新しい材料開発技術 (参考資料2) を研究の中心に置いたことです。ナノアーキテクトニクスは単なるナノ材料の創出にとどまらず、個々のナノ構造間の相互作用の解明と制御、ナノ構造単位を意図的に配置することによる高次構造化などによって、極限的な性能を発現する材料を創出しようとする研究コンセプトです。
MANAのもう一つの重要な目標は次世代を担う若手研究者の育成です。若手研究者の育成に関してNIMSは、2003年度に文部科学省のサポートを得て、若手国際研究拠点 (ICYS) を設置し5年間にわたって種々の活動を続けてきたことが内外から高く評価されています。ICYSでは、世界中から優秀な若手研究者を集め、多国籍、多文化、多分野の「メルティングポット (るつぼ) 」を形成し、自由闊達な雰囲気の下で互いに切磋琢磨するという、若手研究者の育成にとって理想的な環境を作ることに成功しました。MANAではこのICYSの基本的なコンセプトを継承しさらに発展させることで若手研究者の育成を図り、育成された研究人材はNIMS本体の研究リーダーやテニュア研究者へとキャリアーアップさせることを目指しています。最終的にはNIMSの研究人材はほぼすべてMANAから供給されることになるものと予想しています。
MANA構想を実現するために、NIMS及びケンブリッジ大学、UCLA (カリフォルニア大学ロサンゼルス校) 、CNRS (フランス国立科学研究センター) 、ジョージア工科大学、筑波大学など内外の研究機関から20名を超える最優秀の研究者を主任研究者として招聘します。また、NIMSから約50名の若手研究者をピックアップすると共に、全世界から約60名のポスドク研究者と約40名の大学院生を選抜し、技術者、事務職員等を含めて総勢約200名の陣容で研究を推進します。さらに、上記の5機関はMANAのサテライト機関として、研究や人材育成に関して強力に連携する体制を整えます。研究場所としては、NIMSの中に十分なスペースを確保し、できる限り一箇所に集中して研究を実施できる体制を作ることとしています。
今回、MANA構想が激烈な競争を勝ち抜いて、独立行政法人としては唯一選ばれた要因の一つは、「ナノアーキテクトニクス」というユニークな研究コンセプトにあります。しかし、その背景として、ホスト機関としてのNIMS本体への高い評価があることは疑いようがありません (参考資料3) 。特に、 (1) ナノテクノロジーやナノ物質・材料に関する卓越した研究成果、 (2) 強磁場施設、超高分解能・超高電圧電子顕微鏡、NIMS専用放射光ビームラインなどの世界トップレベルの大型研究インフラ、 (3) 先に述べたICYSを中心とする先鋭的な研究人材育成事業、 (4) 世界材料研究所フォーラムや国際連携大学院など様々な国際連携事業などが、MANA構想を支援し実現するための十分な実績として認められたものと考えています。
文部科学省の定めによれば本拠点構想は10年間継続し、特に優れた成果をあげたものに対してはさらに5年間の延長を認めることとなっています。MANA構想では、10年後には、MANAをナノテクノロジー及びナノ物質・材料の世界中核機関へと成長させるばかりでなく、MANAを先導車とすることでNIMS本体を世界トップの材料研究所へと脱皮させていくことを目指しています。この野心的な目標を達成するために職員一同奮闘努力する所存でありますので、MANA及びNIMSに対する皆様の強力なご支援をお願いいたします。