火力発電とジェットエンジンのCO2排出削減に貢献する「株式会社 超合金」本格稼働開始
物質・材料研究機構 (NIMS) 認定ベンチャー
2010.04.28
独立行政法人物質・材料研究機構
NIMSは平成21年9月、当機構が支援を行う「NIMSベンチャー企業」として、株式会社超合金を設立し、本格稼動を開始しています。
概要
独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 : 潮田 資勝、以下NIMS) は、平成21年9月、当機構が支援を行う「NIMSベンチャー企業」として、株式会社超合金 (社長 : 田村 至、本社 茨城県龍ケ崎市) を設立しました。これまでに、NIMSより開発超合金等の特許実施許諾や、超合金製造設備ならびに業務用スペースの使用許可を受けて本格稼動を開始、すでに国内メーカよりご発注を頂きました。
「株式会社超合金」は、NIMS開発超合金のより早期の広範な実用化を促進し、効果的にCO2排出量を削減してわが国の中期目標である2020年の1990年比25%削減に貢献しようとするものです。具体的には、NIMSから各種超合金(単結晶、一方向凝固、鍛造など)のライセンス供与を受けて、国内外の企業・大学・研究機関等から要望の多い高温特性試験用素材 (丸棒、板など) の製造・販売を行います。これによって各企業・大学・研究機関等における材料評価、データベース構築が加速され、もって実用化が大幅に促進されるものと期待しています。
またNIMSが超合金開発研究の過程で開発した装置(一方向凝固炉、超高温急速冷却真空熱処理炉、セラミックコーティング装置(EBPVD)、高温酸化・腐食試験装置(バーナーリグ)など) の設計・製造・販売の事業も同時に展開し、超合金評価試験の効率化も支援します。なお、経営陣は以下の4名です。
「株式会社超合金」は、NIMS開発超合金のより早期の広範な実用化を促進し、効果的にCO2排出量を削減してわが国の中期目標である2020年の1990年比25%削減に貢献しようとするものです。具体的には、NIMSから各種超合金(単結晶、一方向凝固、鍛造など)のライセンス供与を受けて、国内外の企業・大学・研究機関等から要望の多い高温特性試験用素材 (丸棒、板など) の製造・販売を行います。これによって各企業・大学・研究機関等における材料評価、データベース構築が加速され、もって実用化が大幅に促進されるものと期待しています。
またNIMSが超合金開発研究の過程で開発した装置(一方向凝固炉、超高温急速冷却真空熱処理炉、セラミックコーティング装置(EBPVD)、高温酸化・腐食試験装置(バーナーリグ)など) の設計・製造・販売の事業も同時に展開し、超合金評価試験の効率化も支援します。なお、経営陣は以下の4名です。
資料
「株式会社超合金」の概要
創業の目的・意義
NIMS超耐熱材料センターでは、火力発電の熱効率を56%以上 (現行平均42%、最高52%) に高め、また、旅客機用ジェットエンジンにおいてもその熱効率を向上させて、それらの燃料使用量低減により CO2排出量削減を実現すべく新世紀耐熱材料(国家)プロジェクトを行ってきました。これまでに、実現の鍵となるガスタービン動翼材に世界最高の耐用温度 1100℃のNi基単結晶超合金を開発するなど、世界をリードする研究成果を挙げるとともに、実用化に向けて海外・国内の企業と共同研究を進めています。
このような高性能の超合金を最も効果的に生かせる場所は発電用やジェットエンジン用のガスタービンです。発電用ガスタービンにおいてはすでに国内の数社と開発した超合金の実用化を目指して試験中ですが、さらに世界中の企業に使用されたならば、CO2削減効果はいっそう大きくなります。一方、超合金開発の歴史はジェットエンジンの進化と共に歩んできました。戦後大きく立ち遅れたジェットエンジン開発技術を、世界をリードするNIMSの超合金で取り戻したい熱い思いがあり我々の技術が生かされることを強く望んでいます。昨年9月25日には、国際航空運輸協会(IATI)が、京都会議議定書で十分捕捉されていなかった航空業界排出CO2を、2050年時点にて2005年比で50%削減する行動計画をまとめました。その実現には燃費の良い新型機の大量導入が不可欠で、使用されるエンジンの効率向上のため耐用温度の高い超合金への需要がさらに高まると予想されます。
「株式会社超合金」は、これら発電用やジェットエンジンのガスタービンに高性能なNIMS超合金が広範に活用されるよう、その試験用素材の供給や、超合金に関する豊富な知識を活かしたコンサルティングなど、NIMS発ベンチャーならではの業務を展開し、発電用やジェットエンジンのガスタービンの熱効率向上を通してCO2排出量の削減で社会への貢献を目指します。
このような高性能の超合金を最も効果的に生かせる場所は発電用やジェットエンジン用のガスタービンです。発電用ガスタービンにおいてはすでに国内の数社と開発した超合金の実用化を目指して試験中ですが、さらに世界中の企業に使用されたならば、CO2削減効果はいっそう大きくなります。一方、超合金開発の歴史はジェットエンジンの進化と共に歩んできました。戦後大きく立ち遅れたジェットエンジン開発技術を、世界をリードするNIMSの超合金で取り戻したい熱い思いがあり我々の技術が生かされることを強く望んでいます。昨年9月25日には、国際航空運輸協会(IATI)が、京都会議議定書で十分捕捉されていなかった航空業界排出CO2を、2050年時点にて2005年比で50%削減する行動計画をまとめました。その実現には燃費の良い新型機の大量導入が不可欠で、使用されるエンジンの効率向上のため耐用温度の高い超合金への需要がさらに高まると予想されます。
「株式会社超合金」は、これら発電用やジェットエンジンのガスタービンに高性能なNIMS超合金が広範に活用されるよう、その試験用素材の供給や、超合金に関する豊富な知識を活かしたコンサルティングなど、NIMS発ベンチャーならではの業務を展開し、発電用やジェットエンジンのガスタービンの熱効率向上を通してCO2排出量の削減で社会への貢献を目指します。
製品・サービス
NIMSがこれまでに開発した超合金等耐熱材料の普及と実用化を促進するために、基礎データを採取するための試験用素材の製造・販売を主たるビジネスとします。また、研究開発の過程でNIMSが開発した材料評価装置の設計・製造・販売、さらに将来的には、これまでに得られた耐熱材料全般の知識を生かしたコンサルティング事業も展開する予定です。
具体的には以下の通りです。
具体的には以下の通りです。
- 製品
-
- 鋳造超合金素材、例えばタービン翼用単結晶凝固あるいは一方向凝固等による超合金の試験用素材 (丸棒、板など) に適正な熱処理を施したもの (単結晶 : 別添資料参照) 。
- 鍛造超合金素材、例えばタービンディスク用などの鍛造合金。
- 耐熱材料特性試験装置、例えば、セラミックコーティング装置(EBPVD)、高温酸化・腐食試験装置 (灯油燃焼バーナーリグ試験機) 、超高温急速冷却真空熱処理炉、一方向凝固炉。
- サービス
- 将来的には耐熱材料全般の学術的・技術的なコンサルティング事業も拡大して行きたいと考えています。
市場ニーズ
世界的なCO2排出量削減の要請から発電用やジェットエンジン用ガスタービンのさらなる高効率化による燃料消費量削減が必要で、そのキーテクノロジーとなる超耐熱合金へのニーズは今後さらに増大していくと予測されます。新しい超合金の開発には多くの資金と時間や、豊富なノウハウなどが必要であり、容易に参入することは出来ません。そのためNIMSにはこれまでに多くの企業・大学・研究機関等から超合金の試験用素材 (丸棒、板など) の提供の問い合わせがありました。「株式会社超合金」が、NIMSで長年蓄積したノウハウを生かして、超合金等耐熱材料の試験用素材を提供すれば、これらのニーズに最も効果的に対応でき、NIMS超合金の普及・拡大に貢献し、もってCO2削減に大きく寄与するものと考えています。
株式会社超合金の規模等
- 所在地
- 本社 : 茨城県龍ケ崎市長山7丁目2-21
電話 : 0297-65-0078 FAX : 0297-65-0078 - 事業所
- 独立行政法人物質・材料研究機構内
- 千現地区634室内 (事務スペース)
- 千現地区物性解析 実験棟101室内 (素材製造スペース)
電話: 029-859-2519 / FAX: 029-859-2501 - 役員
- 代表取締役 田村 至 (たむら いたる)
取締役 新井 智子 (あらい ともこ)
取締役 小林 敏治 (こばやし としはる)
取締役 原田 広史 (はらだ ひろし) - 従業員数
- 0人
- 設立年月日
- 2009年9月1日
- 事業内容
- 耐熱材料の製造・販売及び材料評価装置の設計・製造・販売
- 資本金
- 100万円 (平成21年9月)