ナノテクノロジー・ネットワークによる東日本大震災の復旧支援

研究活動に支障をきたした研究30件を支援

2011.06.06


独立行政法人物質・材料研究機構

NIMS 国際ナノテクノロジーネットワーク拠点は、文部科学省先端研究施設共用イノベーション創出事業「ナノテクノロジー・ネットワーク (ナノネット) 」 (13拠点26機関) 全体のとりまとめ業務を行っており、東日本大震災直後に被災地域の施設・設備の損傷状況を把握するとともに、被災していない支援拠点の利用可能な施設・設備等をナノネットのホームページ、あるいはナノテクジャパンニュースによるメール配信、さらに電話受付などを通じて紹介しております。

概要

独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 : 潮田 資勝) 国際ナノテクノロジーネットワーク拠点 (拠点長 : 野田 哲二) は、文部科学省先端研究施設共用イノベーション創出事業「ナノテクノロジー・ネットワーク (ナノネット) 」 (13拠点26機関) 全体のとりまとめ業務を行っています。ナノネットにおいては、東日本大震災直後に被災地域の施設・設備の損傷状況を把握するとともに、ナノネットを利用する研究者のために、ナノネット内の被災していない支援拠点の利用可能な施設・設備等をナノネットのホームページ (http://nanonet.mext.go.jp) 、あるいはナノテクジャパンニュースによるメール配信、さらに電話受付などを通じて紹介しております。

平成23年5月末現在の問い合わせ件数は50件を超え、うち30件がナノネット内の拠点で既に研究を開始しています。具体的には、 (1) 東北大学分子・物質合成施設のユーザーが関西拠点 (奈良先端科学技術大学) の装置を利用、 (2) つくば強磁場NMRのユーザーが中部拠点 (分子科学研究所) の装置を利用するなど、東北や関東地区の企業ならびに大学の研究・開発者が被災地区以外のナノネット拠点 (北海道、中部、関西、中国、九州地区) で、ナノ計測や微細加工設備を使用して研究・開発活動を続けています。 (別紙の支援例をご参照ください)

ナノネットでは、大震災発生後、被災された拠点から他拠点への施設利用対応が直ちに開始されました。これは、ナノネットにおける一部機関の研究開発活動に支障を生じた場合に、他の拠点がフォローする、いわばセーフティネットが機能していることを意味します。発生後の被災地域の研究活動機能が回復するに伴い、これまでの被災地域研究者への支援に加えて新規ユーザーへの支援も増えてきております。

被災した施設・設備の復旧には時間がかかりますので、引き続き、当拠点の拠点運営室では相談窓口を設けます。また、今回の被災では、ナノテクノロジー関連以外の分野の研究者からも問い合わせがあり、共用施設として、ナノテクノロジーに間接的に関わる研究、技術であれば、可能な限り幅広く施設・設備の利用希望者に対応していく所存です。